ＫＡＲＡＯＫＥ

　
　中国に宿泊すると当然かもしれませんが皆で食事
　に出かけます。仕事が終わった後、日本からの出
　張者等はやはり中華料理を食べたいと言います。
　
　遠くまで出かける場合もありますが、中国のホテ
　ルには当然レストランも併設されており、我々外
　国人には比較的安心して食べられます。
　
　最近は少なくなりましたが、この食事の席に中国
　人が居たりした場合には、ここぞとばかりに「乾
　杯」が始まります。ビールから始まり、紹興酒や
　老酒、最後には白酒にまで及ぶ場合があります。
　
　この白酒ですが、アルコール度は50%以上で、相当
　きついです。ただ、味自体は淡白なため、油断を
　していると翌朝まで記憶を無くしてしまう状態に
　なります。
　
　私も当然この洗礼を受けており、２度ほど記憶が
　途切れた事がありました。
　
　宴も酣、お酒で気持ちが良くなると、それでは次
　はカラオケへ行こうという事になります。ホテル
　にはこんなお客さんのために、カラオケのお店を
　併設している所が非常に多いです。
　
　正直私はあまり好きでは無いので、出来る限り逃
　げています。なんせ、カラオケの小姐ですが本当
　に無愛想です。しかも英語や日本語が出来ません
　ので、こちらが一生懸命覚えた中国語で小姐を楽
　しませる事になります。この小姐は沢山の中から
　指名出来るのですが、指名された小姐には指名料
　として後で200元を渡す必要があります。
　
　工場で働く女工さん達が、毎日一生懸命働いても
　給料は月に800元程度でしょう。
　
　それをカラオケの小姐は4日間指名されれば工場
　で働く女工さん達と同じ給料になります。もちろ
　ん、指名されればの話ですが。
　
　その上こちらが小姐を楽しませるなんて冗談では
　ありません。このため私はいつも逃げていますが、
　最近ちょっとある話を聞きました。
　
　カラオケの小姐は何処にも沢山居ますが、これは
　もちろん中国の人口が多い事にも起因しています。
　
　しかし、もう一つの理由としては、カラオケで働
　く小姐には戸籍が無い人が沢山居るようです。
　
　中国ではやはり跡継ぎや働き手として男の子が望
　まれる傾向が高い様ですが、例の「一人っ子政策」
　によりちょっとした捩れが発生していのも事実の
　様です。
　
　某国営放送局でも見ましたが、一人目が女の子で
　あった場合、政府に出生届けを提出しないで、実
　質二人目を生む場合がある様です。
　
　こうなると一人目の女の子は戸籍が無いので、ま
　ともに学校へも行けず、勿論まともな就職も出来
　ません。
　
　仕方なく、カラオケの小姐になって働くしか無い
　人も大勢居る様です。
　
　ちょっと考えさせられます。
　
　
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